中国経済ウォッチ #047|2026年第2四半期、グローバルなハンドヘルド・スマートカメラ出荷台数は前年同期比57%増の5…
🏦中国経済ウォッチ #047|2026/09/24
2026年第2四半期、グローバルなハンドヘルド・スマートカメラ出荷台数は前年同期比57%増の5880万台を超え、市場規模は約157億元(RMB)に達しました。中国企業のDJI(大疆創新)とInsta360が合わせて93%のシェアを占めており、その支配力がさらに強まっています。
この数字の背景には、ハンドヘルド・スマートカメラ市場そのものの急速な成長があります。DJIが全体の73%、Insta360が20%という圧倒的なシェア構造は、単なる製品競争ではなく、両社がこの産業カテゴリー自体の定義者・規格設定者になっていることを意味しています。
より興味深いのは、カテゴリー内の成長率のばらつきです。ジンバル搭載型カメラは87%の成長に留まる一方、脱着式アクションカメラは300%を超える爆発的な成長を遂げています。これは、消費者のニーズが「重くて高い統合型」から「軽くて手軽な組み替え型」へシフトしていることを示唆しています。
IDCの予測では、2030年までに年間出荷台数が4100万台に近づくとされており、現在の市場規模から5倍近い成長が見込まれています。この伸びは、単なる既存消費者の追加購入ではなく、発展途上国での新規ユーザー層獲得と、SNS動画コンテンツの普及による用途の多様化を反映しています。中国国内ではライブコマース動画需要の急伸も背景にあり、国内充足後の海外市場拡大という典型的な製造業パターンが機能しています。
アリエクスプレスなど越境ECプラットフォームにおいて、このカテゴリーの品揃え拡充と価格競争の加速は確実です。DJIやInsta360の周辺機器・互換品・アクセサリー市場も同時に膨張しており、サードパーティ製マウント、バッテリー、ケース、フィルターなどの低価格品が急速に流入します。日本の消費者にとっては、これまで国内家電量販店で3〜4万円していた製品が、同等性能で1〜2万円台で購入できる選択肢が増えることを意味しています。
かつてのドローン市場黎明期(2010年代中盤)では、DJI Phantom、Inspire、Mavicシリーズが同じく圧倒的支配力を保ちながら市場を開拓し、周辺機器の低価格化が急速に進みました。今回のハンドヘルド・スマートカメラは、その二番煎じではなく、より日常的で手軽なデバイスであるため、波及範囲はさらに広がります。
★★★★☆
中国製造業の「市場支配→低価格化波及」というサイクルが、今度は映像デバイスの民主化局面を担う構図です。日本の消費者にとっては朗報ですが、同時にこの93%の集中度は、技術的・規制的な寡占が進む危険性も孕んでいます。アリエクでの品揃え豊富さの先には、価格競争力と引き替えに選択肢の均質化というトレードオフが潜んでいることを意識しながら購入判断したいところです。
📰 出典:TechNode
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